先回のブログを読んでから読み進めて頂けると流れが理解できるかと思います。
三泊四日の家族サービス旅を終えて、今朝東京に戻りました。
読破したい本が山積みなのですが、真っ先に復習を兼ねて咬合学と歯科臨床、、、よく噛めて、噛み心地の良い咬合を目指してを再読しています。
この書籍は、先回からお話ししている石原先生の門下生で意思を引き継いだ徳島大学歯科補綴第二の坂東永一教授と中野雅則教授が中心となって書き下ろした2011年に発刊された唯一の日本人的な咬合を考えている良書であると考えています。
内容に関して難解ですが、プロローグの一節をご紹介します。
毎日の臨床で、患者の咬合に手を加え頻繁にこれを変化させているにもかかわらず、『咬合や顎運動はむずかしくてよくわからない』
と言う歯科医師の声を耳にする。
この『よくわからない』と言う歯科医師には2通りあり、一方は『咬合に関する知識や技術が不足しているが、適当に義歯やクラウンを装着している』本当にわかっていない歯科医師である。
その歯科医師も、患者には『私は噛み合わせのことはよくわからない』とは決して言わないと思うが、少なからずいることは確かである。
もう一方は『咬合について勉強をしてきたが、咬合学のよい教科書に辿りつけず、よくわかっていないところは経験で補って
臨床を行なっている』かなり咬合のわかっている歯科医師である。
と書かれている。
また、咬合が咀嚼機能に重要な役割を果たし、『良く噛め』、『良く噛む』ことが全身の健康に重要な役割を果たしていることは、身をもって体験した患者や、このような患者をたくさん診てきた経験豊かな歯科医師が一番よく知っている。しかし、『良く噛める咬合』とはどのようなものであるかを具体的にかつ正確に『表現し』『評価し』、またこれを『形にする』ことは非常にむずかしいことで、補綴装置を人工臓器をするならば、これほど患者ごとに多様で、しかも高い精度が要求される人工臓器は他にないといっても過言ではない。
とも書かれている。
文中の中にある咬合を改善すればあらゆる病気がたちどころに治ってしまうというというように、咬合を過大評価している宗教家のような歯科医師もいる。
咬合に関する混乱や誤解が生じたりする背景には、咬合学が明確に体系化されていないことがあると書かれている。
私も日々の臨床で咬合の難解さを痛感しながら患者さんと対峙している訳でありますが、咬合に関して自費出版をされている『咬合=噛み合わせ』を改善すれば○○が治ると言ったような書籍には疑問を感じて欲しいと考えています。
オーク銀座歯科クリニック@銀座 歯科
補綴専門医&補綴指導医:難波郁雄