一昨日、福島県より総入れ歯でお困りの患者さんが来院して頂けました。
四校の大学病院で総入れ歯を作製したり、色々な開業医さんで多くの入れ歯を作製したそうですが、解決への道のりに向かうことなく、入れ歯を入れずに食事をされているとのことでした。
なぜ、そのような状況に陥ったのか? 総義歯(総入れ歯)が補綴歯科医療では究極に難しい治療と言えるからなんです。
世の中には総義歯の知識や技術があふれるほど出ています。
しかし、今の歯科医学は咬合(噛み合わせ)や補綴治療に対して画一的な目標設定が多く、画一的というのはマニュアル的であり、個人差を許さないということになってしまいます。
患者さんは、当然お顔がお一人お一人違うわけで、著しい個人差をお持ちで、そこを見抜けないと何個も何個も入れ歯を作っても解決しない訳なんです。
↓患者さんがお持ちになった大学病院での入れ歯たちです。
他にも家にいっぱいあるんだけどねと笑いながらお話されていました。
噛み合わせ異常の患者さんたちよりも考えなければいけない点が多々ありますが、残りの人生を幸せな食生活を送れるように向かいたいと思います。
患者さんの抱える問題を1日で解決できない訳でありますが、来て頂いたら少しでもプラスの改善をしたいと日々考えています。
そこで、患者さんにどうせゴミ箱行きの入れ歯ならこの入れ歯を改良していいですかと提案!
患者さんからは、先生、無理だよ! と言われましたが、僕にもどうなるかわからないですが、とりあえずやらせてと、、、。
まー納得のいく入れ歯からは程遠い代物ですが、医局にあったカステラと海老せんべいを食べれるまでに改良でき、喜んで帰って頂きました。
オーク銀座歯科クリニック@銀座 歯科
補綴専門医&補綴指導医:難波郁雄