昨晩のNHKラジオの放送は聞いて頂けたでしょうか。
さて、今日は、丸茂先生が日本歯科医師会に寄稿された人生を豊かにする『噛み合わせ』の内容をご紹介します。
(日本歯科医師会 朝昼晩より出典)
食文化が歯をつくる。
日本人にとって良い噛み合わせとは?
『口を開けるとあごが痛む』『音がする』『口が開きにくい』といった顎関節症。
(『音がする』は、現在専門家の間では治療対象とならないことも多々ありますが、、、。)←(難波談です)
その病名も、原因のひとつである噛み合わせの乱れが、全身の健康に影響することも、一般に知られるようになりました。
ただ、あまり知られていないのは、『歯並びと噛み合わせは別のもの』ということ。
そもそも、噛み合わせが良いとは、どういう歯の状態を指すのでしょうか?
日本人にとって一番大切な歯の役割は、食べ物をよく噛み、すり潰して咀嚼(そしゃく)すること。
繊維質の多い米を主食にしてきた私たちは、よく噛むことで唾液中の消化酵素アミラーゼを分泌し、デンプンを糖に分解して消化します。 そのため奥歯もよく使われ、全体的にすり減っているのが特徴です。
これに対して、歯並びが整い、いかにも健康そうな欧米人の白い歯は、意外にも咀嚼には向いていません。
歴史を通じて、繊維質の食品を多くたべていない彼らは、日本人よりもアミラーゼを分泌する人の割合が少なく、食べ物をよく噛んで消化しやすくする習慣がすくない。 欧米で歯といえばコミュニケーションのツール。まずは笑顔で人間関係をつくる文化が重んじられ、白い歯を大切にする意識が広がりました。
『食文化によって、食べ物を消化する方法は違い、咀嚼の考え方、歯の作られ方や役割も違います。これは脈々と受け継がれてきた民族的な違い。小さな頃から洋食中心の人でも、身体のしくみはかえられないんですよ』と丸茂先生
つまり、私たちに必要なのは、日本の食文化に合った歯の役割を、しっかり果たせる噛み合わせです。
国の歴史や文化によって、同じ歯でも重視するポイントが、異なるのです。
オーク銀座歯科クリニック@銀座 歯科
補綴専門医&補綴指導医:難波郁雄