未だに論争の絶えない世界!『咬合=かみ合わせ』
今回一気読みをした書籍!
『手仕事の医療 評伝 石原寿郎』
石原寿郎先生は、東京医科歯科大学補綴科教授で詳細は書籍を読んで頂ければご理解頂けますが、52歳という若さで他界された歯科補綴界のレジェンドと言われています!
米国から輸入された咬合理論を検証しながら、また機械論的な咬合理論に異を唱えながらも寡黙に取り入れるべき点を俯瞰しつつ、理論の検証を繰り返しながら、心から患者さんへの診療技術の還元を考え抜いていた人物であったのではないかと考えています。
今更言っても仕方がありませんが、石原先生が存命してしていたならば、カオスな咬合論が蔓延しなかったかも知れないのではないかと考えています。
歯科界を見渡してみると、、、。
犬歯誘導VSグループファンクション
リンガライズオクルージョンVSバランスドオクルージョン
などなど何故? 戦わなければいけないのか甚だ以ておかしな話であったと思っています。
また、各々の先生方が補綴学を学んだ世界だけに限定し、それぞれが主義主張を繰り返すだけで、論争が絶えないのは自明の理であると思っており、戦う必要などないのではないかと考えています。
それは、何故か?
患者は骨格・筋・顔貌それぞれ各人違うわけで、それぞれに合った咬合をよく観察・分析しそれぞれに合う理論で臨床を行うだけであると考えていますが故に、咬合は難しい分野の学問であると言えます。
そういう私も咬合を学び始めた時は、何故?先述のVSな世界なのか到底理解できなかったことを思い出します。
故に、『咬合を制する者は、歯科を制する』という世界になのであると考えています。
私のクリニックには、何軒ものクリニックを転々とされて来院される患者やインターネットでかなりの情報を得て来院される患者さんや咬合に関する書籍を自費出版されている先生の元で治療を受けられた患者さんが多数来院して頂けています。
情報過多や間違った情報で混乱されている患者さんが多いように感じていますが、手仕事の医療の文中をお借りして一言!
『歯科の治療学は、治療技術学にとどまっている。 半世紀の長い冬眠の前の19世紀であれば、それでよかった。
しかし20世紀半ばの学問が、それでいいはずはない』
と書かれています。
私の私見ですが、未だに混沌としている咬合、そこにある理論は、本当に患者利益なのか!?
果たして歯科医師利益なのか!?と問うと疑問が未だに残りますが、今後も患者利益の補綴歯科医療とは何か!?を深く洞察しながら一人ひとりに合った補綴物を提供していきたいと考えています。
咬合で悩まれている患者さんがいれば、この本は一般向けにも書かれているのでご参考にして頂ければ幸いです。
オーク銀座歯科クリニック@銀座 歯科
補綴専門医&補綴指導医:難波郁雄